リニアメントと砂岩泥岩の特徴的な地形

浦添市にはリニアメントと砂岩泥岩の特徴的な地形がみられる.何れも地形改変により不鮮明化あるいは消滅している.1948 年の a-a' 区間では,琉球石灰岩分布域の伊祖断層(活断層研究会 1991)に沿った北西−南東方向の断層崖と石灰岩堤が非常に明瞭である. 2008 年では石灰岩堤頂部を中心に削り取られ,一部はほぼ全体が消滅している.また l 地域は北東側の断層崖が削り取られ石灰岩堤の幅が狭くなっている.2008 年で判読できる伊祖断層に沿った北西−南東方向の断層崖と石灰岩堤の地形は、全体的に不鮮明になっている.伊祖断層の北東側に,伊祖断層にほぼ平行に西原断層が延び,これらを境界とし地形面は南西方向へ傾動しているように見える. 伊祖断層の南西側では北東−南西方向の3条のリニアメント(b,c,d)が判読でき,これらを境界とした北西方向へ傾動したケスタ状地形をなす.これらの北東−南西方向のリニアメントは,島尻層群豊見城層小禄砂岩部層と泥岩が断層で接する部分であると推定される(氏家・兼子 2006a, 2006b)が,2008 年では b を除き判読が難しい. 浦添市の小禄砂岩部層分布地域には,細かなヒダ状の谷・尾根(小起伏丘)が e および f 地域に発達する.この地形は 2008 年では e 地域では完全に消滅し,f 地域では一部を除き消滅している.また,同様な地形は小禄砂岩部層の模式地である那覇市金城田原付近にもみられる.島尻層群泥岩が広く分布する南西部の g 地域には,沖繩の気候が生み出した亜熱帯地形の盆状谷(河名 1986)が発達する.また,これらの谷の最上流部の h および i 地域には泥岩地域の地滑り等により形成された半円形谷頭(河名 1986)が見られる.










 


by GIS沖縄研究室