GPS利用


GPSデータ → MIF/MID 変換ソフト


 

GPSを利用した野外調査結果のGISデータ化について
                【沖縄地理学会2004.7.10にて発表】

 以前から,野外調査にGPSは利用されていたが,位置確認のツールとして利用されることが多く,積極的にGISと連動した利用はなされていなかった。昨年発売されたGARMIN社(アメリカ)製GPSは超軽量・小型(携帯電話並)で,高性能が特徴のものであった。また,価格も以前に比べ安価であるため,野外調査に利用しやすいものとなっている。本発表は,このGPSの野外調査での利用と,GISによるGPSデータの利用法を検討したものである。

1.GPS概要
 GERMIN社Geko 201の概要は以下の通りである。
@重量88グラム。A衛星受信は12チャネル並列受信。B高精度3次元位置情報(精度10m程度)C連続自動位置記録(数秒間隔,10000ポイント)。Dデータ接続端子及びGARMAP2により,GISにデータ転送可能。E単4電池2本で間動作,最長電池寿命は約12時間。F測地系=世界測地系(WGS84),位置フォーマット=hdd°mm'ss.sで緯度経度を表示。

メーカーホームページアドレス http://www.garmin.com/products/geko201/
英語版Geko201購入ページ (いいよねっと online store 英語版GPS)←日本語版に比べ格安になります。
GPS利用方紹介HP  GARMIN Geko201を使い倒す!!
               geko201導入記録

2.野外での位置確認への応用
 野外調査を行う場合,地図上で現在地点が確認できることが望ましいが,Geko 201ではディスレー上に地図を表示することは出来ず,位置の緯度経度数値の表示のみとなっている。GPSによっては地図を取り込み位置情報と合わせて表示することが可能である機種も存在するが,マシン本体や地図情報が高価であり,またマシンサイズも大型である。
 上記の目的を達成するため,GISソフトにより地形図に緯度経度メッシュを追加する方法を以下に紹介する。
@地形図をスキャナーなどにより画像情報として取り込み,GIS機能を利用し位置情報を付加する。A位置情報を付加した地図とグリッド(緯度経度)を合わせて出力する(図−1)。B野外調査でこの地図を利用し,GPS緯度経度とグリッドから位置確認を行う。
図−1は1/25000地形図に10秒間隔のグリッドを付加した例である。目視で1秒精度の位置を判読する事は容易であるので,地形図上での位置確認は可能である。


図−1 グリッド付加地形図

3.GPSデータ読込ソフト
Geko 201起動中の位置情報は,数秒間隔でGPSのメモリーに記録される。また,そのデータはGARMAP2(フリーソフトhttp://harukaze.sakura.ne.jp/garmap/garmap.html)によりGPSからパソコンにデータをインポートする事が可能である。また,GARMAP2上でそれらのデータを図化・分析する事ができる。図−2,3はその表示例であり,野外調査(国頭村奥間林道〜与那覇林道〜与那覇岳)時のGPSデータより作成したルート図及びルート断面図である。


図−2 ルート簡易表示例


図−3 断面図作成

4.GISソフトとの連動
GARMAP2では,テキスト形式ファイル(図−4)としてデータを保存することが可能である。このファイルは緯度,経度,標高,計測時間がテキスト形式で出力され,GISソフト機能により,ポイントデータとして利用可能である。以下それらのデータの利用例を紹介する。


図−4 GPSテキスト形式ファイル

(1)地図・空中写真との重ね合わせ 位置情報を与えた地形図や空中写真にGPSデータを重ね合わせる。野外調査のルート情報を確認出来る。


図−5 GPSデータ重ね合わせ

(2)標高データの作成 GPSデータは緯度・経度・標高の3次元データで,GISデータとして取り込むことにより,GISソフトの分析機能を利用することが出来る。図−6は,ある地域をくまなく移動しながら記録したGPSデータから,その位置情報及び標高値を利用し,補間により標高グリッドを作成した図である。GPSデータを利用し地形数値モデルを作成できる。


図−6 標高データ

5.応用分野

 超小型GPSGISを連動させることにより,以下の分野に利用することが出来る。

 @位置確認(地図未整備地域やサンゴ礁海域など,地図上の目標が認識しにくい地点)

Aルートマップの作成(地形地質調査,植生調査など)

B分布確認調査(遺跡,植物,動物,露頭,その他調査ポイント)

C地形調査(断面図,標高簡易測量)

D簡易地図調査(小学校の地図学習,郷土学習)

E観光地図(エコツーなどのルート図作成)


【 ソフト公開 】
 GPSテキスト形式ファイル → GPSデータポイント&ルート mif/midファイル変換ソフト

@ソフトダウンロード(GPS_line.zip) 
  (2004.11.5 バグを修正版をup)
A解凍後,ソフト(GPS_line.exe)をGPSデータファイル(*.txt)と同じフォルダーに配置する。
Bソフト起動, パスワード入力後
 GPSデータファイル名入力(拡張子txtは入れる必要はありません) → 処理終了
C Aのフォルダーに,Bで入力したファイル名.mif と .mid ファイルを作成する。
D MapInfoのインポート機能で,mif/midファイルをインポート

下記は主題図作成機能を利用して,変換結果を表示した例です。ルートごとに色分けしました。