重力異常GeoTiffデータ

QGIS

 国土地理院の「ジオイド・モデルを入手/重力データを入手」ページ(リンク)では、重力異常データも公開されています。「重力の基準としては使用できませんので、ご注意ください」との注意書きが添えられていますが、地球科学分野では非常に重要な情報です。実際、多くの地球科学テキストや、ネットで公開されている論文・報告書で、このデータを利用した解析図が紹介されています。しかし、“数字として扱える空間データ”そのものを入手できる場所は限られており、データを直接使った独自の解析や可視化、GISでの利用などには特に重宝します。

重力異常とは

地球上の任意の点で重力(g)を測定すると、場所によって微妙に異なります。
地球が完全な楕円体で、均一な密度を持つと仮定して計算した重力値(標準重力値)と、実際に測定した重力値との差が「重力異常」です。
 重力異常 = 実測重力値 − 理論重力値(標準重力値)
一般に、異常値が正(+)なら、その地点の地下には密度が高い物質が存在することを示し、負(-)なら低密度な物質が存在することを示します。重力異常は、地殻構造やマントル構造の調査、鉱床・油田・ガス田など地下資源の分布推定にも幅広く利用されます。

国土地理院重力異常データ

国土地理院が公開している重力異常データは、北緯15~50°、東経120~160°の範囲をカバーしており、緯度方向1分、経度方向1.5分(約2km格子間隔)のテキストデータとして提供されています。データファイルには、緯度・経度・重力異常値(mGal)が記載されており、主にフリーエア異常(Free-air anomaly)やブーゲー異常(Bouguer anomaly)の値を取得することができます。なお、国土地理院が配布しているデータ自体は、純粋なテキスト形式(CSVやTXT)で提供されており、数値自体のGIS形式(GeoTIFF等)では配布されていません。

GeoTIFFデータの整備

当方では、国土地理院の公開テキストデータをもとに、
 Columns: 1601 × Lines: 2101、32bit浮動小数点、緯度経度系WGS84
という仕様でGeoTIFF形式の空間データに変換・整備しています。
ZIP圧縮したデータは、下記のアドレスから入手できます。
 https://www.gis-okinawa.jp/2025c/GSIANO.zip
解凍すると以下の2個のGeoTiffデータが入手できます。
 GSIANO_FGA.tif:フリーエア異常(Free-air anomaly)
 GSIANO_BGA.tif:ブーゲー異常(Bouguer anomaly)
このGeoTIFFデータは、GISソフト等でそのまま利用可能です。
「数字として扱える空間データ」として、多様な地理解析や可視化作業に活用していただけます。

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