DEM1A_webMap

琉球列島地形復元

国土地理院の1m DEMをGeoTIFFに変換し、モザイク処理するPythonスクリプトとその利用方法はこちらで公開しています。
今回は、沖縄島周辺のDEM1Aデータの解像度や特性をより詳しく知っていただくために、「DEM1A彩色標高+合成開度」のwebMapを作成し、公開しました。

webMapの範囲

沖縄島範囲のDEM1Aをすべて処理しましたが、32bitFloat、0.04秒グリッドという解像度なので、全データを繋げると約4Gサイズとなります。webMap用に標高彩色画像とし、タイルデータへと処理したデータでも約2Gサイズになってしまいます。そこで沖縄島を3区分(北、中、南)し、それぞれを少しオーバーラップさせたデータとし処理し、3個のwebMAPとして公開しました。それぞれの範囲の2次メッシュは以下の通りです。
南(沖縄本島中南部):392705,392715,392716,392717,392725,392726,392727,392735,392736,392737,392745,392746,392747,394840,392755,392756,392757,394850
中(恩納村~名護市、本部半島):392756,392757,394850,392766,392767,394860,392776,392777,394870,402705,402706,402707,402800
北(沖縄本島北部国頭地域):394860,394861,394870,394871,394872,402800,402801,402802,402811,402812,402821,402822

開度・合成開度とは

「開度」とは、ある地点から見て、周囲の空間がどれくらい開けているか(または閉ざされているか)を示す地形解析指標です。
計算手法の違いにより「地上開度」と「地下開度」に分かれ、それぞれ尾根地形や谷地形に鋭敏に反応します。
今回は、尾根と谷の両方を判読しやすくするため、地上開度と地下開度を明度を調整して重ね合わせた「合成開度」を作成しました。
合成開度が高い場所は、平坦地や尾根の上など視界が開けた場所、低い場所は谷間や窪地、斜面に囲まれた場所となります。
つまり、合成開度を利用することで、標高図だけでは分かりにくい「地形の凹凸感」を直感的に把握できます。
webMapでは、これらのDEM1A標高彩色図と合成開度をオーバーレイした地形図を閲覧するものです。

webMAP

それぞれの地域のwebMapは下記のアドレスから閲覧できます。
1.沖縄島南(読谷―うるま市石川以南):ほとんどがひな壇状態ですが、都市化、人工改変地形の様子が見れます。
https://www.gis-okinawa.jp/2025c/Dem1aSokin.html

2.沖縄島中(恩納村-金武町~名護市-本部半島):名護市街地周辺の都市化、人工改変地形の様子、山地内の農耕地などが見れます。本部半島の石灰岩採石場が見れます。
https://www.gis-okinawa.jp/2025c/Dem1aCokin.html

3.沖縄島北(名護市~国頭):山地地形、山地内の農耕地などが見れます。
https://www.gis-okinawa.jp/2025c/Dem1aNokin.html

DEM1mAは、現代の人間活動による地形改変の痕跡が非常に明瞭に捉えられます。
歴史や防災、考古学の観点からも非常に興味深い内容です。
特に沖縄島の中南部では人間活動による地形改変が著しいことが分かります。
このように地形解析を行う中で、琉球列島地形復元プロジェクトで作成した過去のDEMデータは、地形改変等を研究する上での重要性も改めて実感しました。

webMap閲覧ツールの機能

webMapのURLに、表示したいマップの中心点の「緯度・経度」と「ズームレベル」を指定できるようにしました。また、地図表示を移動するごとに、現在表示しているマップ中心の位置座標とズームレベルが表示されます(添付画像の赤丸部分をご参照ください)。
この機能により、地図の表示位置を含んだURLをコピーして共有することで、他のユーザーとまったく同じマップビューを即座に共有することができます。画像のキャプチャや説明文を添える手間も省け、より直感的に場所を伝えることが可能になります。

まとめ

DEM1mA(1mメッシュ標高データ)は、地形の微細な凹凸だけでなく、人間活動の痕跡まで読み取れる貴重な情報源です。
歴史・考古学、防災・都市工学など、さまざまな分野で興味を持たれる方に、ぜひ一度ご覧いただきたい内容です。
興味深い地形を見つけたら、みなさんでURLを共有して、気づきや驚きを交換してみてください!

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