国土基本図四隅座標を図名から入手

QGIS

旧版国土基本図のジオリファレンス作業で必須の四隅情報、これまでは、『gis-tool.com』webサイトから国土基本図の図名を使って入手していました。非常に便利なツールでGIS講習会や大学講義などでも紹介していました。しかし、サイトが消滅したようで、”403”エラーがでています。
これでは困りますので、まずは図名と四隅情報をエクセルデータとして作成しましたので、ご利用ください。なお、図名の振り方は、『空間情報クラブ』と『国土基本図図郭の作成』(@fukuoka1960)のwebサイトを参考にさせていただきました。

https://club.informatix.co.jp/?p=1293
https://qiita.com/fukuoka1960/items/f6f47cd7e38188f8ca22

エクセルデータの入手

国土基本図図名とそのエリア範囲はエクセル表にまとめています。次のアドレスからDLしてください。
https://www.gis-okinawa.jp/2024b/kihonzu.xlsx

国土基本図の図名は
『日本直角座標系系番号』ー『40kmX30km範囲コード(アルファベット2文字)』ー『4kmX3km範囲コード(数字2文字)』
で構成されています。(詳細は参考webサイト)
後半の4文字分は各日本直角座標系の系番号で共通で、XY座標値の値は共通になります。GISデータ化された国土基本図の空間参照システムに従ってその位置が決定されます。
国土基本図の四隅情報を考える場合、図名先頭の系番号は、ジオリファレンス処理の先頭で空間参照システムを設定する場合に使われるだけで、GCP設定時の座標情報は後半の4文字分のコードから判断できることとなります。
エクセル表は以下のようになっています。

後半の4文字分のコードは『MAPname』フィールドにあります。『40kX30kGRID』は『40kmX30km範囲コード(アルファベット2文字)』、『4kX3kGRID』は『4kmX3km範囲コード(数字2文字)』、これが1/5000国土基本図1枚に相当します。

これらのフィールドを使って並べ替えを行うと目的の図名が探しやすいと思います。
なお、『X_MIN』、『X_MAX』は東西方向、『Y_MIN』、『Y_MAX』は南北方向になります。単位はいずれも『m』です。

このエクセルデータの『位置情報検索』シートは、図名を入力して位置情報を検索・表示するようになっています。ご利用ください。

SHPファイルとQGISでの利用

空間参照システムを、日本平面直角座標系第15系JGD2000に設定したグリッドをshpファイルで公開しました。以下のアドレスからDL可能です。
https://www.gis-okinawa.jp/2024b/KihonzuGrid.zip
Grid40_30k:『40kmX30km範囲コード(アルファベット2文字)』のグリッド
GridALL:1/5000国土基本図1枚に相当するグリッド

地理院地図の標準地図とオーバーレイさせ、各レイヤーのスタイル調整とラベル表示させた主題図は次の通りです(図ー1)。それぞれのグリッドはポリゴンで、属性情報としてエクセルで提供した情報と同じものを持っています。

図ー1

このGISデータの空間参照システムは、日本平面直角座標系第15系JGD2000ですが、旧版国土基本図を利用する場合は、日本平面直角座標系第15系TOKYOに変更する必要があります。座標数値情報はそのままで、空間参照システムだけを変更します。手順は以下の通りです。

  1. GridALLのプロパティ―より、空間参照システムを日本測地系(TOKYO)に変更する。赤丸で示したアイコンから、空間参照システムを変更する(図ー2)。『OK』ボタンを押すと変更が適用され、マップ表示は日本平面直角座標系第15系日本測地系に強制的に変更されて表示される。(図ー3)XY座標の数値は変更されず、空間参照システムだけが変更され、グリッド位置がずれているのがわかる。この操作はshpファイルに保存されていない。
  2. 空間参照システムの変更をshpファイルで保存する。レイヤー『GridALL』を右クリック、『名前を付けて保存する』に進む。新規のshpファイル名を決めて、この状態のまま保存する。(図ー4)このshpファイルは、日本平面直角座標系第15系日本測地系のグリッドデータとなっている。図ー1の状態に、日本平面直角座標系第15系日本測地系のグリッドデータを追加すると、ズレが生じていることがわかります。(図ー5)
図ー2
図―3
図ー4
図ー5

例えば関東地方の国土基本図グリッドを利用したい場合は、日本平面直角座標系第9系JGD2000に変更すればよい(図―6)。この状態で地理院地図にオーバーレイさせたものが図ー7である。ただし、この例は、マップ表示も日本平面直角座標系第9系JGD2000に変更している。(変更しないで15系のままでは地図表示が傾いて表示される)
また、空間参照システムを変更した状態のshpファイルが必要な場合は、前と同様に、『名前を付けて保存する』を使って、保存すれば良い。

図ー6
図ー7

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